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43rd東京モーターショー -IKEYA FORMULA-

43rd 東京モーターショー、周囲からは「もう飽きた」と言われながらもしつこく更新。

「イケヤ フォーミュラ」は、目立つ赤いスーパーカーを出展。
家具で有名なスウェーデンの"イケア(IKEA)"じゃありませんよ。

「F-02RDS」という車両で、鋼管パイプフレームからのオリジナルで設計されたボディで、自社の製品を組み込んでいるということです。
エンジンは、インテグラのものをベースにした4気筒ターボで300馬力くらいを発生、500馬力くらいまではイケルそうです。

(株)イケヤフォーミュラという会社は、知る人のみぞ知る金属加工の会社で、駆動系やサスペンションアームなどを造っている会社です。
自社でフォーミュラーカーを制作して、レースにも参戦しているらしい。

一応、ロードカーを目指して設計されているそうで、認証さえ取得すれば公道を走ることは可能とのこと。
だから、ナンバーを付けるスペースが確保されている。

日本の「パガーニ」になれるでしょうか?

この真っ赤で派手なフォーミュラーカーに目を奪われがちですが、今回発表されこのモデルにも搭載されている同社の"シームレストランスミッション"という物が大注目されています。

現在オートマチックトランスミッション(AT)は、日本勢のCVTと欧州勢のDCTが主流となっていますが、その常識を覆す物だそうで。

通常のトルコン式ATでは、どうしてもロスが出てしまいます。
これを解消したのがDCT(Dual Clutch Transmission)で、クラッチ機構を2系統持ち交互につなぎ替えることでギアを入れ替える時間を短縮しています。
これで、人間には不可能なゼロコンマ何秒という時間でギアを入れ替えるわけです。

ところが、DCTはクラッチを2系統持つことからメカニズムが複雑化して大きく重くなってしまいます。
複雑化すれば当然故障も多くなり、初期のVWなどではこれに悩まされるとか…

これに対して、この「シームレストランスミッション」は、

・構造がシンプル、小型、軽量、低コスト
・トルコン式ATよりも伝達効率が良い
・マニュアルミッションに対応可能
・既存の生産設備が利用できる
・瞬時にギアチェンジが出来ることからスポーツカーに最適

となっています。

まだちょっと駆動音が大きいみたいですけれども、現在も自動車メーカーと共同で開発中とか。
近いうちに、量販車にも搭載されてくることは間違いありません。

「昔の車はエアコンが無かったんだよぉ…だから、夏は汗だくになりながら窓全開にして走ってたんだよね」

なんてのが昔話になるように、これからは「昔はギアチェンジに時間がかかっていてショックが大きくてね…」というのが過去の物になるかもしれません。

日本の中小企業の技術力、まだまだ健在です。

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