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ベンツSクラスHYBRIDロング

なんか、今更ながらベンツのハイブリッド車が発売になったと世間が騒いでいるためコレにちょっと触れておこうかな、と。

このモデルはすでに1年以上前から公開されており、発売も決まっていたモデルですから今更驚くには値しないモデルであります。
「S400 Blue HYBRID」と呼ばれているモデルは3.5Lのガソリンエンジンに1モーターを組み合わせたマイルドハイブリッド。
つまりは、インサイトと同じようなシステムになります。

これに対してトヨタのプリウスなどはフルハイブリッドと呼ばれ、2モーターで電気モーターが独立して稼働するために電気自動車と同じようにモーターのみでの走行が可能。
ベンツの今回発売されたシステムは1モーターが動力軸上に直結されており加勢するシステムのためにあくまでもメインはエンジンで、モーターのみでの走行はしません。
モーターが回生ブレーキとなることと加速時に電動アシストをすることによって燃料消費を低減、エアコンを電動コンプレッサー(サンデン/日本製)にしてアイドリングストップを行うことによりさらに燃費を向上させています。

ダイムラーがBMW、GMと共同開発しているのはトヨタと同じ2モーター方式のフルハイブリッドシステムで、こちらは「ML450 Blue HYBRID」での発売となります。
今回のSクラスではこのシステムとは異なるタイプになります。

フルハイブリッドのシステムはほとんどの領域でトヨタが特許を押さえており、この特許のせいでホンダはフルハイブリッドを諦めた…とも言われるくらいです。
ダイムラーではトヨタの特許を回避するために、モーターとエンジンの出力を合成するギヤをトヨタの2個から3個に増やしたりしています。

来年の夏に発売されるBMW 7シリーズのActive-Hybridはこのダイムラーと共同開発したシステムとなります。
それでも、燃費はS400 Blue-Hybridの方が良いそうな…
今回発売となった「SクラスHYBRIDロング」は1405万円。
最大出力220kW、最大トルク375Nmで0-100Km/h加速が7.3秒、一番の気になる燃費は12.6Km/Lでこれはかなり実燃費に近い数字かと。(実燃費は街中で11km/Lくらい行くと思います)
CO2排出は190g/kmと、リッターカーに迫る数値となっています。

このモデルのもう一つの話題が、ハイブリッド車にリチウムイオンバッテリーを世界初で搭載したことです。
リチウムイオン電池は扱いが難しく、品質が悪いと発熱して爆発の恐れがあります。(中国製は特に注意!)
このため、車載用としてはプリウスも信頼性を取りニッケル水素の搭載となっています。
もっとも、このリチウムイオン電池はアメリカのテスラ社から供給を受けた物であり、おそらくはパソコンに使われる物と同一の日本製だと思われます。
(テスラ社は日本製であることは明かしていますが、メーカー名を明かしていません。)

ベンツのハイブリッド車は、まだまだテストの領域を出ておらず、この点においてはすでに10年の市販経験があるプリウスに軍配が上がります。
ベンツ・ハイブリッドの本命は、次期Sクラスに搭載されると見られているDISSOTエンジンからでしょう。

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