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44th東京モーターショー2015 JNCAP

44th東京モーターショー2015で、独立行政法人 自動車事故対策機構です。

アメリカのNCAP、EUのユーロNCAPの日本版、自動車の衝突などの安全性能試験を行なう、国土交通省の外郭団体になります。

試験項目
・乗員保護性能評価
フルラップ前面衝突試験、オフセット前面衝突試験、側面衝突試験、後面衝突頚部保護性能試験
・歩行者保護性能評価
歩行者頭部保護性能試験、歩行者脚部保護性能試験
・シートベルトリマインダー評価
乗員がシートベルトを装着していない時のワーニング機能

欧米の試験項目から比べたら、全然緩い内容であることからも、試験結果は参考にはなれ、あまりアテにはできません。
電柱などへの衝突や正面衝突回避を想定した「スモールオーバーラップ衝突試験」や「横転試験」、ダミー人形へのダメージ試験が無いのは決定的な欠点。

実際の事故では、人はぶつかりそうになると必ず回避しようとどちらかへハンドルを切るわけで、100%全面の正面衝突は実際の事故ではあり得ないわけです。
軽自動車やミニバンなどは重心も高く横転しやすいわけですし、運転席や助手席がハンドルやエンジン隔壁に足下や胸を挟まれることも多くあるのです。

だいたい交通事故の後遺障害は、これら下半身が押し込まれたエンジンとの間に挟まれることによって起こるものです。
日本のJNCAPの試験だと、エンジンが衝突で床下へ落ちるような設計は、結果には反映されないということになるわけです。
結果に反映されなければ、メーカーはコストがかかるため採用しません。

例えば、2011年にJNCAPで最高得点(グランプリ無し)を取ったエルグランドですが、兄弟車のクエストが2014年のアメリカNCAPでは最低評価となっています。
これだけでも、日本のテストが欧米の基準とはかけ離れていることが解るわけです。

これだけグローバルに車種が展開している現代なのですから、JNCAPも欧米に並ぶ基準で評価すべきかと思います。
アメリカ仕様では補強材を入れてあるのに対して、日本仕様にはコストや軽量化から省く、なんてことを消費者は許していいのでしょうか?

アメリカではテストにあるから補強材を入れる、日本はテスト項目に無いから省く…
もしそういうメーカーがあるのだとすれば、日本人の命をコストを理由に軽んじているとしか思えないのですけども。

欧州車を支持する背景には、こういったダブルスタンダードが無い、という部分も含まれているのですね。

某クラウンが「日本でしか買えない」というCMを前面に押し出していますけれども、逆に言えばワールドワイドに通用していない、ともなるわけです。
日本でしか通用しない、ガラパゴスな基準に沿って作られている…と、言っているようなものなのです。

同じ金額を出すのなら、どちらがいいでしょうか?

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