EUのエコはディーゼルからハイブリッドへ
次期GT-Rもハイブリッドで検討されているらしいということで、スーパースポーツカーの世界でも雪崩を打つようにハイブリッドカーへと移っていくようです。
それを象徴するように、2010年3月2日に開幕したジュネーブショーには、EU各メーカー共にハイブリッドのコンセプトカーのオンパレードとなっています。そんな時代の流れの中で、注目の1台が「ポルシェ918 スパイダー」のプラグイン・ハイブリッドです。
- 3.4リットルV型8気筒ガソリン 500馬力以上
- 218馬力の電気モーターを併用したプラグイン・ハイブリッド
- トランスミッション 7速2ペダルMTのPDK
- 車両重量 1490kg
- 0-100km/h加速3.2秒、最高速320km/h
- 欧州複合モード燃費33.33km/L
- CO2排出量70g/km
07年頃のフランクフルトショーでは、エコと言えばディーゼルエンジンが主流で、重い電池を積んだプリウスをバカにしていたのですね、EUのほぼ全てのメーカーは。今回、完全に手のひらが反っています。
つまりはその前のポルシェのスーパーカー「カレラGT」よりも速く、プリウスも真っ青な燃費とCO2排出量を誇る文字通りスーパースポーツカーが、今回の「918スパイダー」です。
スポーツカーのハイブリッドは、後輪をエンジンで駆動して前輪を電気モーターで補助するAWD方式が主流となる模様です。フェラーリのハイブリッドも、この方式です。
逆に、コストを重視するトヨタの市販モデルなどはFFをベースにして前輪をエンジンで駆動し、後輪を電気モーターでアシストするE-FOURと呼ばれる方式です。これですと、ドライブシャフトが無くなるためスペース効率と重量が有利になります、ちょうどこのスーパーカーを逆にした形になっています。
918スパイダーでは、「Eドライブ」モードでは電気モーターのみで25kmのゼロエミッション走行も可能とのことで、渋滞の中でも無駄に燃料を消費せずに済みます。かたや「レースハイブリッド」モードでは、ボタン操作により電気モーターでブーストがかけられるために追い越し加速もすさまじいと推測できます。
カレラGTの後継モデルとして、市販化が前提だそうです。
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ほぼ10年おきに市販化されるポルシェのスーパーカー
ポルシェの歴史を遡れば、ほぼ10年おきに限定販売のスーパースポーツカーを市販化していることがわかります。
スカイラインGT-Rとも深い関わりのある1963年の「904カレラGTS」に始まり1973年の「911カレラRS」、1986年の「959」、1996年の「911GT1」、そして2003年には「カレラGT」が市販化されています。この間隔は、見事なまでにほぼ10年という周期で、通常の市販ラインナップから外れる特別なモデルが登場しています。
ワンポイント
この後さらに20台以上のプロトタイプが製作され、ポルシェが「918スパイダー」の生産と受注を受け付けるのは翌2011年5月、生産は2013年9月18日から開始され限定台数は918台となっています。
そのポルシェをもってしても、市販化にこぎ着けるのには3年を要するのでした。いかにハイブリッドの制御が、複雑で難しいかを表しています。