放射5号線、三鷹3・2・2号線が2019年6月8日に開通
2019年6月8日15時に「放射5号線、三鷹3・2・2号線」が開通、これにより首都高速の高井戸ICから三鷹市牟礼までの3.6kmで通行し易くなりました。
2004年度(平成16年度)より事業に着手し、約15年で開通となりました。事業総工費は約540億円だそうです。
東八道路が甲州街道とダイレクトに繋がったことにより、このルートが実質的な甲州街道のバイパスとなります。計画から50年の時を経てようやく完成したことになります。
中央高速の高井戸IC開通は1976年(首都高速は1973年)、当時よりこの道路整備の計画はあり首都高速や中央高速の建設と共にバイパス用の立体交差も建設されましたが、交通量が増えるとの周辺住民の猛反対によりずっと放置されていたものです。(大気汚染、交通戦争など当時の社会情勢も大きく関係しています)
甲州街道-上北沢でどちらのルートかを選択
三鷹市周辺に住んでいれば、環八へ出るのに大きな道が無く渋滞にも悩まされていたことから、この道路の意味は大きいかと思います。
その他の人はあまり意味が無いかと言えばそんなことは無く、新宿から多摩西部へ移動する際に選択肢が増えたことを意味します。従来であれば、新宿・渋谷とこの三鷹地区を往来する場合には信号の多い井の頭通りを使うか、青梅街道から回り込む必要がありましたが、今回の開通で甲州街道という選択肢ができました。
新宿より甲州街道で明大前・下高井戸を通過して4車線で道幅が広くなりますと、上北沢で分岐点が現われます。左2車線下の側道が甲州街道、右2車線が立体交差で上へ東八道路へダイレクトに繋がった新しい道路です。
道を知っていませんと、右2車線は上へと上がり首都高に沿って右へと曲がっていくことから、首都高速へ入って行ってしまうのでは無いかと勘違いしそうですが、緑の看板が無いので一般道です。
この構造から見ても、右の立体交差がバイパス本線として作られていることが判ると思います。
後述しますが、これまでは環八(中の橋交差点)でほとんど行き止まりみたいな道路でしたので、立体交差へ行く車はほとんどいません。50年近く、無駄な道路として作られたのでした。
この日も、まだ開通の情報が知れ渡っていないせいなのか、いつもより立体交差で上へ行く車は多い(地元の車)ものの、大半は甲州街道本線の方へと流れて行きます。
まだ看板が、立体交差の方へ行くと「荻窪」とあります。環八の中の橋交差点で右折すれば間違いでは無いですが、「放射5号線、三鷹3・2・2号線」が開通したのなら直進で「三鷹」と書かないとダメなような気がします。
甲州街道は国道、今回開通したのは都道ですので、国と東京都の連携は取れていないのでしょうか。
立体交差で上を行かなくても(うっかり下の道へ行ってしまっても)、下の交差点から東八道路方面へ行くことができます。が、この交差点を利用するのはほとんどが地元住民の車両であり、右折車線に並ぶ車両はありません。
立体交差の下の道路は通行量もほとんど無いため、タクシーやトラックの休憩・時間調節の待機場所となっています。
また、ここに転回路(下の写真前方の信号)があるのですが、環八内回り(荻窪→瀬田)では中の橋交差点で右折が出来ません。つまりは、荻窪方面から来た場合に三鷹方面へ右折が出来ない構造になっています。
この場合、中の橋交差点で一度左折してこの転回路で転回して三鷹方面へ行く、という方法が取れます。
首都高速の渋滞状況によっては永福で降りるのもアリ
今はまだ、開通が周知されていないため地元の車両がメインのようで、甲州街道のバイパスとして利用する車両は極端に少ない状態ですが、次第に周知されるにつれて高井戸IC付近の流れも大きく変わってくることでしょう。
首都高速C2中央環状線、山手トンネルが開通してからというもの4号新宿線は代々木-高井戸間では慢性的な渋滞となっています。高井戸出口の構造が変わった(出口に信号が付いた)ことで出口渋滞もあり、三鷹方面へ行くケースでは一つ手前の永福で甲州街道へ降りて東八道路へ抜けるというルートも考えられるようになりました。
選択肢が増えるということは、渋滞回避の方法が増えると同時に考えなければいけないことも増えるということになります。ナビは新規開通道路が反映されるまでにタイムラグがありますし、絶対に有利な方を指示するかといえばそういうこともありません。
東京都内の道路は、2020オリンピックに向けてなかなかに複雑になっていきます。