建て替えられた中央高速の橋脚
今回の「放射5号線、三鷹3・2・2号線」の開通では、既存の設備が最大限に流用されており、その分の費用が低く抑えられているようです。
その最も大きな改修点が、中央高速の橋脚の建て替えになります。
これまでは、環八を立体交差でオーバーパスして来た後、中央高速下の脇道を烏山住宅団地(烏山トンネル)まで1車線で通行していました。
ここで従来の中央道の橋脚はT字型で上下線を支えていたのに対し、コの字型に掛け替えて高速下を開ける工事を行っています。これで、高速道路の下に写真のような上下各2車線、計4車線のスペースを確保しているわけです。
この工事を中央道を通行止めにしないで行っていたのですから、日本の土木技術のなんて優秀なことでしょう。この15年間、中央道の高井戸IC-調布IC間を通ったことがある方、はたして橋脚を付け替えていた工事を知っている人はいるでしょうか?
おそらくは、用地買収よりもこの橋脚の付け替えの方が時間がかかっていると思われます。
元々、ここの側道も道路を通すことを前提に用地が確保されていることから、かなり広い道幅が確保されていました。つまりは、無駄なスペースを40年以上も遊ばせていたことになるわけです。それほど交通量が多くない交差点でも、ムダに右折レーンがあったのです。
それでも、ほぼ生活道路としてしか整備されていなかったことから、朝夕の通勤時間帯には三鷹から高井戸への抜け道として車が集まり、ひどい渋滞となっていました。
烏山住宅団地で行き止まり、40年前から止まった時間
従来のこの道路は、高速の下が全く活かされず側道を通行していました。
しかし、それも烏山住宅団地の前で途切れており、その先は右へ左へと地元の住民しか判らないような道をクネクネと三鷹へ抜けるしかありませんでした。その道路もバス通りとなっており、バスや大型トラックとカーブですれ違えない(どちらかが先に道を譲る)など、これが40年間も続いていたのです。
通り沿いには幼稚園や小学校もあり、絶対に良い環境とは言えない地域でもありました。
放射5号線の開通後、その道路は完全にローカルな地元住民のための生活道路となり、ひっそりと静まりかえっていました。
メイン通りが渋滞で動かなくなっている時の抜け道として使えそうではあります。おそらくは、時が経てばこの道路は地元の住民しか知らない道となるでしょうから。
これが昔のメインStreetとは、誰も思わないでしょう。