ニコニコ超会議の顔に成長した自衛隊の展示
毎年、ニコニコ超会議には自衛隊がブースを構えており、過去には自民党が出展していた際に当時の安倍首相が訪問したこともあります。また、機密の部分もある防衛装備品を展示することで知られており、人気の高いブースでもあります。
ただ、ここ「ニコニコ超会議」の会場内では自衛隊隊員の迷彩服の制服が、どうしてもコスプレに見えてしまうのでした。その脇をエヴァンゲリオンのコスプレが歩いていたりしますと、妙にマッチしていたりするのでした。
そこで「ニコニコ超会議2023」の今年の自衛隊展示の目玉は、陸上自衛隊の『スキャンイーグル2および発射装置&回収装置』となります。陸上自衛隊としては、自衛隊施設内以外のイベントでは初展示となります。
「スキャンイーグル2」というのは、アメリカのボーイング社が2014年に開発した無人偵察機で、機体に搭載されている様々なカメラやセンサーなどから情報を収集します。昨年のロシアのウクライナ侵攻で、いかに情報収集が戦況を有利に左右するかというのを目の当たりにしている中での展示となります。
ウクライナ戦争では、このドローンの有用性が奇しくも証明された結果となっています。この「スキャンイーグル2」の一式は13億6836万円で契約されており、無人偵察機本体は1機2億5000万円とされています。
重量は一人で持ち運べるほど軽く、主翼は分解してコンテナに収容するなど、運搬性を重視しています。
離陸はドローン特有の圧縮空気によるカタパルト射出で、着陸はスカイフックに引っかけて回収するようになっています。写真の天井高く伸びているアームがそれで、広いスペースを必要としないことから艦船からの運用も可能になっているとのことです。
飛行可能時間は18時間(スキャンイーグル2)で通信可能距離は100km、仮に通信が途絶してもGPSを搭載しており自律飛行で事前に設定された場所に戻ってくることが可能です。このため、広い何も無い洋上でも回収することができるとされています。
自衛隊が導入を決定したのは2011年の東日本大震災の際で、上空からの被害状況の把握にドローンの必要性を認め、2013年から導入をしています。また、安価で運用もし易いことから世界25カ国以上で採用されており、ウクライナへは12機が提供されてロシア軍の砲兵戦力を捉えるための情報収集を行っているとされています。