メルセデス・ベンツ 豊橋VPC 見学ツアー

メルセデス・ベンツ

キャリアカーで運ばれる新型Eクラス納車までの道のり

2016年11月4日

運ばれる新型Eクラス

メルセデス・ベンツ 新型Eクラス キャリアカー 納車

新型Eクラスが、結構売れているみたいです。このため、キャリアカーで運ばれているEクラスを結構見かけることが多くなりました。

まだ、街中で走っているものを見かける機会はありませんけれども、仮に見かけたとしても後ろ姿が似ていることからCクラスと区別が付かないのかもしれません。

今どきの「E200」は、直4の2Lターボになっています。2,000ccでも全長が5m近く、横幅は1.85mあります。

185馬力と1670kgの車重から見たら、今のCLKの3.2Lと同程度の加速感かなと思うのです。E250の方が馬力から見てもCLK320には近いのかもしれませんが、やはり自然吸気の大排気量の方がトルクは大きいので乗りやすいとは思います。

ちなみにE200とE250は、エンジン型式が同じで排気量も2.0Lで同じ、でもパワーが違い燃費もE250の方が若干いいのでした。何が違うのでしょうか、セッティング?

今どきはダウンサイジングが主流で、多気筒で大きな排気量は「悪」という風潮があります。もう、AMGの自然吸気6,300ccなんてのは市場には出てこないのでしょう。

あなたが買った輸入車はどこの港へ入ってくる?

メルセデス・ベンツ 豊橋VPC 納車

輸入車の場合、海外の工場から生産された車両は自動車運搬船によって日本国内へ運び込まれるわけですが、メルセデス・ベンツの場合は日立埠頭へ到着することになります。これまでは愛知県豊橋市にあった新車整備センターも日立の1カ所へ集約(2010年)し、日立市が管理するモータープールへ運び込まれます。

その後、2014年に輸入台数が年間55,000台を超えたことから、再び豊橋の元あった場所に新車整備センターを開設しており、2拠点体制で輸入整備を行なっています。

年間の輸入キャパシティは35,000台で入港隻数が70隻程度、メルセデス・ベンツの輸入全量を扱えるということです。

この日立市のモータープールは、日産の栃木工場の北米向けの生産車の輸出にも使われており、将来的には横浜港と横須賀港からの完成車輸出にも利用したい考えのようです。

同様にBMWは千葉港へ陸揚げされ、フォルクスワーゲングループのVW、アウディ、ポルシェ、ベントレー、ランボルギーニなどは愛知県豊橋市のVW専用埠頭へ陸揚げされます。

多くの輸入車メーカーが豊橋を輸入拠点としているのは、1978年に三菱自動車が三河港から完成車を輸出したのを皮切りに、トヨタ自動車やスズキが輸出を開始、これに伴い大型の自動車運搬船が着ける岸壁があり広大な駐車場がある三河湾へ輸入車のPDI拠点が集中した歴史があります。

世界一厳しい日本の消費者へ向けた完成検査

メルセデス・ベンツ 豊橋VPC 納車

自動車運搬船から陸揚げされてモータープールへ移された新車は、走行テストで車両の状態やドアの開閉施錠の各機能のテスト、異音の有無などがチェックされます。日本の消費者は、世界一品質にウルサイとも言われていますから、入念なチェックが行われます。

その後は洗車、工場から輸出港までは鉄道による運搬であることから鉄粉がボディには付着しています。このまま洗車機にかけますと細かい傷が付いてしまうことから、特殊な溶剤をかけてこの鉄粉が落とされます。

洗車機にかけた後、オプションの装着や外装や内装に各機能の入念な点検が行われます。ここでは、要補修箇所に付箋が貼られていきますが、素人目には判らないような細かい傷にまでチェックが及びます。

次に日本語のコーションラベルなどの貼付などの日本仕様への対応、車両下回りのチェック、仕上げはボディ磨きとなります。

品質面の検査が完了しますと法定の完成検査が行われ、日本の法規に合っているかをチェックされ、合格しますと「完成検査証」が交付されます。最後に保護フィルムが貼られてディーラーへの出荷を待ちます。

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納車時の走行距離を見れば、その車が注文車なのか在庫車なのかがわかるといいます。3~4kmなら注文車で、岸壁から直接納車整備センターへ自走するので短く、12~13kmならば在庫車でいったん距離のあるモータープールへ自走して再び納車整備センターへ戻ってくるので距離が増えているということです。
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60日の長旅を終えて新車がいよいよ手元へ

完成検査が終わりますと、納車整備センターからキャリアカーに積まれて販売ディーラーへ輸送されます。

積み込み時にもドライバーが一回りして、傷などを確認してから積み込みます。キャリアカーやトレーラーでは高さが4mを超えますから、街の街路樹や山間部を走る際には木や枝に当たらないように気をつけて運転をしなければなりません。

そうやって多くの人の手によってディーラーへ運ばれて来た新車は、保護フィルムやビニールなどが剥がされて、輸送で付いた汚れを再び洗車で落とし、ディーラーオプションの装着やボディコーティングなどが施されます。

そして装備品の確認と書類などを揃えて、納車整備を終えて購入者へと引き渡されます。

最近では、セールスマンの人手が足りないことから自宅納車ではなく、ディーラーでの納車式を行うケースが多くなっています。これも照明にしっかりと照らされて、傷などを確認できる状態で納車を受けた方が良いという判断です。

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