東京マルイの広報車はランクル200
こちらのランドクルーザー200は、2018年の静岡ホビーショーや秋葉原べルサーレで開催された東京マルイフェスティバルにも展示されていた車両です。
車両:ランドクルーザー200AX
外装:全面高耐久特殊塗装
屋根の上には「MK46 Mod.0」が装備され、マットグレーで全塗装されているのが特徴です。
リアゲートには、米国ペリカンプロダクツ社のガンケースが装備され、サバイバルゲームをする人であれば憧れの仕様と言えるでしょう。
ただし、気になる箇所が一つ
今の時代、ナンバーが付いていて公道を走ることが出来る車両に、カンガルーバーを取り付けるのは企業の広報車としてはコンプライアンス的にマズい気がしますが・・・(社内で誰からも異論が出なかったのでしょうか?それとも、止める人がいない!?)
三菱パジェロなども含めて、もう何年も前に歩行者保護の観点から、安全を理由としてメーカー純正ではオプションからは外された装備です。
実際のところ、イベント会場まで自走で乗り入れていることからも、運用の方法に安全上の問題があると思われます。自動車評論家であれば、100人が100人「NO!」と言います。
ココがダメ
カンガルーバーは、大型動物の衝突から自車のエンジンを守るための装備です。広大なオーストラリアでは、エンジン停止で帰れなくなることが自分の死を意味するからです。都市部で、歩行者を跳ね飛ばす気満々の装備ってどうなの?ってことです。
対して、今の車では衝突時にはボンネットを潰して相手への衝撃エネルギーを吸収し、歩行者などを保護するように設計されています。また通常のバンパーよりも衝突位置が数cmでも前へ出ることで、振り子の原理により歩行者の頭部がより激しくボンネットやAピラーに打ち付けられ、これが致命傷になることがあります。
イベント専用で、常に積車で搬入するのであれば問題はありません。
(※ 最初の頃の仕様には、カンガルーバーは付いていなかったようです)
トヨタ最長モデル、世界中で高い人気を誇るランクル
「ランクル」の愛称で親しまれているトヨタ「ランドクルーザー」、その歴史は現存するトヨタモデルの中でも最も古く、歴代モデルは常に高い人気を誇っています。最近も70系と呼ばれる古いモデルが復刻し、瞬殺で売り切れるということがありました。
ランクルは海外でも高い人気があります、ゆえに盗難でもワーストに入っています。盗まれた車両は、郊外のヤードと呼ばれる解体屋で分解されコンテナに詰められて、中古部品として海外へ売り飛ばされてしまいます。
「ランクル」が格好良く見えるのは、その高い「耐久性」と「悪路走破性」からくる機能美にあります。「壊れない信頼の日本車」「未整地路面でも走ることが出来る」ということから、海外のシェアの方が高く、売れています。
ゆえに鋪装が未整備な途上国や山岳路、紛争地域といった世界中の過酷な環境下で使用されています。
ランクルは、国連や各国政府、商社の海外派遣社員、国内でも警察や高速道路会社の車両などに採用されています。
全ての形には意味がある、その機能美
この厳つい顔にもちゃんと理由があり、ヘッドライトはギリギリまで高い位置へと配置してできるだけ遠方の路面を高い位置から照らすように設計されています。さらには、奥まった位置に配置されるヘッドライトユニットは、木の枝などに直接ヒットして割れるのを防ぐ意味があるといいます。
違和感すら覚える大きなグリルは、下回りのヒットからラジエターを守るために高い位置へと配置したことで、自己主張が強くなったものです。クラウンの主張するなんちゃってグリルとは、意味が違うということ。
まもなく次期型の噂がチラホラと聞こえてきます
現行モデル200系のランクルは2007年に発売されており、12年目に入っています。歴代のランクルでは、通常8~9年のモデル間隔でフルモデルチェンジをしており、最長でも1967年発売の「55/56系」の13年になります。
ここから、そろそろ次期モデルの300系が出て来るのではないか、という噂の根拠になります。
この手のラダーフレームの本格4x4モデルは、ベンツGクラスが1979年の誕生から2018年に初めてフルモデルチェンジをするなど、長寿命の傾向にあります。
これは、長く作り続けることでコストを下げる(途上国では大切)のと同時に、長期に渡って同じ部品が使えるということは修理がし易いということを表わしています。これが、ハイエースとともにランクルが世界で愛される最も大きな理由です。