44th東京モーターショー2015 トヨタS-FR

44th-TMS2015

44th東京モーターショー2015 トヨタ S-FR

44th東京モーターショー2015 トヨタS-FR

今回の東モで最も注目度が高く市販化が望まれるトヨタS-FR

東京モーターショー2015のトヨタブース、1~2ページの紹介ではとても収まりません。それだけ数多くのモデルを展示しているのが、世界のトヨタです。

これでも、他の市販モデルの展示は素通りをしているのです。細かく1台1台に時間をかけて見ていたら、絶対に1日では見終わりません。
フランクフルトショーとか、会場がメチャクチャ広くて1日で回るのは無理と言われています。海外のモーターショーでは、セグウェイみたいな乗り物で、会場内を移動すると言います。

Toyota S-FR

「ヨタハチ」の再来と言われているコンパクトスポーツカーです。

その名称からも、Toyota86の北米輸出名である「サイオンFR-S」や「MR2/MR-S」といったトヨタの小型スポーツカーの系譜にあることが判るかと思います。

44th東京モーターショー2015 トヨタS-FR

86/BRZでは果たせなかった目標

86/BRZの開発初期において本来は、「AE86のような、若年層が買える価格帯で軽量コンパクトスポーツカーを作ろう」というものでした。ところが実際に86が出来上がってみると、開発費がかさみ価格は250万円~、1350kgと決して軽くは無い車重になってしまったのでした。

結果、86/BRZの購入者はかつてAE86に乗っていたオジさん世代が圧倒的に多いということになってしまったものです。そこで再度、最安200万円以内で買える安くて軽量スポーツを作ろう、という企画が上がったものがこのS-FRとなります。

ところが、今のトヨタには5ナンバーサイズに収まるFRのベースシャーシがありません、だから86はスバルへ投げられてインプレッサベースになったものです。
そこで、5ナンバー枠に収まるヴィッツ/アクアのシャーシをベースに、FR化するという荒技に出ます。このため、アクアのボディをまといホイールベースを詰めたツギハギの車両がスクープされていました。

44th東京モーターショー2015 トヨタS-FR

自動車メーカーのグループ分けに翻弄されるS-FR

このモデル、かなり市販までの完成度が高くなっていましたが、衝撃的なことが起こってしまいます。2015年5月に発表された、トヨタとマツダの提携です。

マツダには、同じようなコンセプトでFRのモデル「ロードスター」が存在します。価格も接近しており、むしろこのS-FRの方が安いことからも、市販化されればロードスターの顧客を奪うことは目に見えているわけです。

限られた2ドアクーペの市場のパイを食い合うことになれば・・・ロードスターも窮地に立たされますし、S-FRの方も販売目標台数に達しない、と予想するのは素人でもそう難しいことではありません。
S-FRはFFを無理してFR化するわけですから、トヨタとしても相応のコストがかかるわけです。

これで2018年の7月には、S-FRの生産を予定していた川崎重工への委託契約が解除されたとの報道が出ます。
従来のトヨタ車とは構造が違うことから、既存のトヨタ系の生産ラインには乗せられない、このためS660のような半ばハンドメイドで生産する方式を考えていた模様です。

その他の周辺状況から、このS-FRの市販化計画は白紙撤回されたと見られています。
ネット上では、「ぜひ市販化して欲しい」「反響が大きければ市販化あるのは?」などの声が出ていますが、オトナの事情からこのモデルの市販はありません。せっかく作ったのだから東京モーターショーに出しておこう、というレベルとなります。

44th東京モーターショー2015 トヨタS-FR

新たな提携で生まれる可能性

それよりも、マツダとの提携でロードスターをベースとしたトヨタモデルが出て来る可能性の方が高まりました。実際に、すでに北米ではデミオのOEMで、トヨタ顔のデミオ「サイオンiA」が販売されています。

トヨタにしても、「フィアット124スパイダー」のようにマツダへ生産を丸投げした方が、リスクは少ないということです。次期スープラとBVMW Z4の関係のような、ロードスターのクローズドボディとしてこのS-FRのデザインエッセンスを織り込んだトヨタモデルが出て来る可能性はあります。

でも、このデザインってダイハツっぽいのですよね、コペン風な。
サイドからのシルエットは、「TE800 Spyder」がモチーフになっているようです。

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