ジャパンモビリティショー2023 JMS レクサス LEXUS LF-ZC

Japan Mobility Show2023 イベント 東京モーターショー

ジャパンモビリティショー2023 -レクサス

2023年11月21日

ジャパンモビリティショー2023 JMS レクサス LEXUS LF-ZL
いつもならレクサスは、グループのダイハツやスバルと並びトヨタブースの近くにあるはずなのですが、今回のジャパンモビリティショーでは、トヨタが東館1/2/3に対してレクサスは通路を挟んで反対側の東館4/5/6で、ホンダや日産と同じ屋根の下となりました。

また、高級ブランドらしく展示空間そのものをアート作品とする、「Kehaiの森」とした「魅惑」「魅了」「思索」「刹那」の4つのピースからなる五感を刺激する空間となっています。

竹と銅の糸で編み込まれた導電性の布が吊り下げられていましたが、この独創的な世界観は『LF-ZC』の内装に採用されたコンセプトをイメージしているとされています。「竹」という伝統的な素材の可能性に挑戦しながらも、高級とラグジュアリーを追求しつつ環境へ配慮するという価値を目指しています。

『LF-ZC』は、トヨタのSUV型のBEVコンセプト『FT-3e』と同じ電気自動車専用プラットフォームを使用するレクサスのコンセプトカーです。レクサスは、2030年までに電動化ブランドを目指す方向です。

2026年に発売すると発表されていることから、全長4750x全幅1880x全高1390mm、ホイールベース2890mmは、サイズ的には登場から10年が経過している次期レクサスISの後継モデルではないかと予想されています。

全てのコンポーネントを小型軽量化をすることで、ガソリンモデルよりも自由度の高いパッケージングを実現、低重心と広々とした室内空間、優れた機能性と美しさを両立します。動力性能においても、電動ならではのレスポンスの良さと、4輪駆動システム「DIRECT4」のシームレスな駆動力のコントロール、「ステアバイワイヤ」によりリニアなステアリングフィールが実現します。

全ての電動化がいいか悪いかはさておき、省スペースやチューニングの自由度が大きくなることは確かです。

『LF-ZL』は、同じBEV専用プラットフォームを用いて、レクサスのフラッグシップとして提案するモデルです。「L」が示すように、次期レクサスLSあるいはアルファードのレクサスVerであるレクサスLMのデザインコンセプトではないかとされています。

全長5300x全幅2020x全高1700mm、ホイールベース3350mmは、現行レクサスLSよりも一回り大きいサイズですが、S30型新型クラウンセダンが5mを超えてきていますから次期LSもワールドワイドに大型化する可能性は十分にあります。

完全バイワイヤステアリングは実現するのか

今回のジャパンモビリティショーのレクサスブースで注目するのは、かつて夢見た未来の車っぽい「ナイトライダー」のような四角い異形ステアリングです。

この異形ステアリングの意味は、将来的に完全自動運転が実現した際に、ダッシュボードへ格納することが前提となっています。ちゃんと、四角い意味があるのですね。

ステアリングをダッシュボード内へ収納するためには、今のシャフトで前輪と機械的に繋がっているのでは格納ができませんので、その前に機械的な機構を持たない完全な「リンクレス・ステア・バイ・ワイヤ(SBW)」にする必要があるわけです。

これまでにも、電気信号でタイヤを操作する「ステアリング・バイ・ワイヤ」はベンツSLやスカイラインといった市販モデルでは実用化されていましたが、万が一のトラブルに備えて機械的な繋がりのステアリングシャフトは残してありました。

中国では2021年にBZ4Xで「リンクレス・ステアリング・バイ・ワイヤ」を実現していますが、中国向けのみで日本国内への導入は国交省との調整がつかずに導入は見送られています。今回、レクサスでは 2024年末からRZへ「SBW」を導入すると発表されています。

これで一番面倒なお役所はパスしたわけですから、レベル5の完全な自動運転へまた一歩近づくことになります。

ギガキャスト

もう一つ、レクサスブースで目を引いたのが、裏側に回ってひっそりと展示されていた「ギガキャスト」です。地味ではありますが、これからの日本の自動車産業を左右する重要な展示でもあります。

これまでの自動車のシャーシを作る際には、いくつかの部品をプレスで成形し接着剤と溶接で繋げていきます。ギガキャストとは、この大きなフロアまわりの構造を一つの大きなプレス部品で成形してしまおうというものです。

これにより生産工程と生産時間の削減、同時にコストの削減、補強部品が必要なくなりスペースが増える、剛性がアップされる、鉄からアルミへと変更されて軽量化、などの利点が多くあります。ちなみにBZ4Xのリアセクションをギガキャスト化できると86個の鉄部品が1つのアルミ部品に置き換われるそうです。

ただ難しい部分もあり、衝突安全性で設計が複雑になるそうです。

しかし、ギガキャスト化は世界の自動車生産の主流となりつつあり、テスラやBYDといった新興の電気自動車企業ではすでに導入されています。

なぜ、大企業のトヨタがギガキャスト化に遅れたのか?それは、大企業であるがゆえに既存の生産設備をそう簡単には入れ替えられないという事情があるためです。

新興企業は、新規で設計して新規の生産設備を導入できますから、最初からギガキャストを導入できます。対する既存企業では、シャーシやエンジンは20~30年の間で改良をしながら使い回します。このシャーシの設計、既存のエンジンが載るような配置で設計を行わなければならないことから、なかなか真新しい設計思想は導入できないのです。

さらに生産設備は、その何世代もの期間で使い回します。生産ラインをギガキャスト向けにそっくり入れ替えるとなれば、新規に工場を作る以上に費用と時間がかかるわけです。工場を1つ作るのには、数千億円が必要とされています。

この両方で条件を揃えなければ、全く新しい

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