東京オートサロン マクラーレンGT

TAS2020 東京オートサロン

東京オートサロン2020 -マクラーレン初出展

2020年2月2日

東京オートサロン マクラーレンGT

東京モーターショーから消えたスーパーカー

近年、東京モーターショーから次々とスーパーカーメーカーが出展を撤退していました。こちらのマクラーレンも、そんなメーカーの一つです。

マクラーレンが東京モーターショーに出展していたのは記憶に無いと言う方、いえいえちゃんと出ていたのです。

44th東京モーターショー 曙ブレーキ マクラーレンP1
44th東京モーターショー2015-akebono ブレンボに迫れ

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通常、フェラーリなどの老舗スーパーカーメーカーやベンツ/BMW/ポルシェといった歴史のあるメーカーのスーパーマシンでは、ブレンボのブレーキが採用されています。日本メーカー、NISSAN GTRもその例外ではありません。

ところが新興スーパーカーでもあるマクラーレンでは、老舗スーパーカーとの差別化を図るためになどで日本メーカー「曙ブレーキ」を採用していたことから、東京モーターショーへは曙ブレーキの出展とのコラボで出ていました。これには、出展に数億円がかかると言われるコストの問題も大きいでしょう。

東京モーターショーの来場者の減少が止まらない理由、魅力が無くなったと言われる最大の理由は、10年ほど前のリーマンショックの頃から東モへスーパーカーの展示が無くなったからです。車が好きな小さなお子様にとって、普段は目にすることが出来ないスーパーカーを間近で見ることが出来るショーが魅力的なのです。

ところがスーパーカーメーカー側では、東京モーターショーへコストをかけて出展しましても、それが販売台数や売り上げには全く影響しないことから撤退したと言われています。

というのも、近年はスーパーカーでも中国などの売り上げが大きくなっており、日本の市場での売り上げは世界全体からしたらそれほど大きくないという事情があります。このため、メーカー側も日本へのデリバリー台数を制限しており、決められた台数の中では売り上げを大きく伸ばすことが出来ないという事情があるわけです。

東京オートサロン マクラーレンGT

一見さんお断りのマクラーレン

お金持ちの上流階級の世界では、もうポルシェやメルセデスAMGなどを所有していても目立つことが出来ません。フェラーリやベントレーなども普通に乗ってくる人が多く、差別化が図れないのです。

当然、事業の成功者が多い上流階級には自己主張の強い人も多いわけで、他人よりも目立ちたいという人は少なくありません。そこで、他の人が持っていないような車、「マクラーレン」や「アストンマーチン」といった販売台数が少ない珍しい車に白羽の矢が当たります。

ところがマクラーレンの場合、いくらお金持ちであって現金を用意して車を買いにディーラーへ行ったとしても、車を売ってくれないと言われています。いわゆる、「一見さんお断り」と言われているやつです。

よく質問掲示板に「一見さん」とは何ですか?という質問を見かけます。
一見(いちげん)さんとは、そのお店とは全く面識が無く初めてそのお店を訪れたお客さんのことを指します。

誰しも"初めて"という経験は必ずあるものです。では、どのようにして"初めて"マクラーレンを購入するのでしょうか。

それは「紹介」です。お付き合いのある友人の中にマクラーレンの所有者がいたり、そういった方が知り合いを伝っていたりします。

また、近くにそういった知り合いがいない場合でも、デパートの外商であったり、他の高級車メーカーのセールスマンなど、顔が広い人に頼めば人を紹介してくれます。事業の成功者には、そういった人脈が必要不可欠であることからも、どこかには必ず人脈が繋がっています。

マクラーレンの所有者となるためには、お金だけではなくそういった"繋がり"も必要であったりします。

東京オートサロン マクラーレンGT

ゴルフバッグが積める最高時速326km/hのマクラーレンGT

東京オートサロン2020に展示されていた1台は、2019年6月20日新規に発表された「マクラーレン GT」です。2025年までにハイブリッド化などを含め新型モデルを18車種投入するというマクラーレン怒濤の新型車ラッシュ、その第4車種目にあたります。

『GT』とは「グランド・ツアラー」の略で、ミッドシップのスーパーカーでありながら車内スペースは広く設計されており、ウィンドウも広く取られており、座り心地も快適で後方視界も良好とのことです。

価格は2645万円~、カーボンファイバー構造のボディをまとった重量は1530kg、搭載される4.0リッターV8ツインターボエンジンは最高出力620PS/最大トルク630N・m。0-100km/h加速は3.2秒、最高速度は326km/hとなっています。

これだけのスペックを持ちながらその最大の特徴は、「GT」を名乗るだけありフロント150L/リア420Lもの前後にラゲッジスペースが用意されていることにあります。特にリアには、ゴルフバッグが1つ積むことができる驚異のスーパーカーとなります。

東京オートサロン マクラーレンGT

徐々に認知される日本市場におけるマクラーレン

マクラーレンと言えばマールボロカラーのF1マシンが有名であり、1990年代の「マクラーレン・ホンダ」のようにF1に代表されるレーシングカーのイメージが古くからあります。が、市販車に関しては「マクラーレン・オートモーティブ」が2010年に設立されるなど、新興のメーカーとなります。

その前身は1990年に設立された「マクラーレン・カーズ」で、最初の市販モデルは1994年ゴードン・マレーのデザインによる処女作、「マクラーレン・F1」になります。

日本市場でのマクラーレンは、世界シェアがアメリカ、イギリスに続く第3位となっており、2019年5月には日本国内の累計登録台数は1000台を突破しています。

ちなみに、多くの子育て世代のパパさん/ママさん達が「マクラーレン」と聞いて連想するのがベビーカーの「マクラーレン」ですが、きっとグループ企業でF1の設計思想が活かされていてカーボンボディが・・・なんて考えている人も多くいらっしゃるかと思います。

ところが、この両社は全く関係がありません。

1965年にオーエン・マクラーレンが「ベビー・バギー」を開発して創業したのが育児用品のマクラーレン。1963年にブルース・マクラーレンにより設立されたイギリスのレーシング・チームがマクラーレン・レーシングとなっています。

日本で言えば、三菱グループと三菱鉛筆に関係が全く無いのと同じです。たまたま、創始者の名前が「マクラーレンさん」だったにすぎません。

従いまして、ベビーカーの「マクラーレン」は庶民でも購入しやすい価格帯であり、一見さんお断りではありませんので安心してください。

東京オートサロン マクラーレン720S

スキー板が積めるスーパーカー、マクラーレン720S

マクラーレンが展示しているもう1台が中核モデル、スーパーシリーズのフラッグシップである「マクラーレン720Sスパイダー」になります。電動で開閉するリトラクタブルハードトップを採用、ヘッドレスト後方にカーボン製のロールオーバー・プロテクション・システムを搭載しています。

クーペをオープン化した場合には相当な重量増は避けられないのですが、この720Sスパイダーに関しては49kg増に抑えられており、720ps&770Nmの4リッターV8ツインターボは0-100km/hはわずか2.9秒を実現しています。これはクーペに全く劣らない数値であり、最高速度もルーフを閉じればクーペと同じ341km/h、ルーフを開けても325km/hに達します。

そのお値段もスーパーで、3930万円~と庶民には一生縁が無い車両価格となっています。

東京オートサロン マクラーレン720S

東京オートサロン マクラーレン720S

東京オートサロン マクラーレン720S

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