東京オートサロン2020 幕張メッセ

TAS2020 東京オートサロン

家族連れがターゲット東京オートサロン2020開幕

2020年1月13日

東京オートサロン2020 幕張メッセ

以前とはその趣旨が大きく変わった東京オートサロン

いよいよ2020年代がスタート、お正月の雰囲気もそろそろ抜けようかというこの時期、新年二週目の週末に来ます車のイベントが、『東京オートサロン』です。

来場者、お客さんの方はそのような感じでお正月明けのお気楽で見に行くものですが、出展者はそうはいきません。年末年始返上で、準備や展示車両の仕上げを行っているところも多いと聞きます。

未だに改造車の祭典というイメージが色濃く残る『東京オートサロン』ですが、その趣は昔とは大きく変わっています。開催期間中の高速道路の電光掲示板には、「幕張メッセで検問中」の文字が光りますが、幕張メッセ周辺に交通整理の警察官はいますが検問が行われている様子はありません。

以前のように爆音を響かせたシャコタンの車が集まるというイメージとは大きく異なり、会場には小さなお子さんを連れた家族連れが非常に多く目立ちます。

数年前から大手自動車メーカーも出展参加するようになって来ており、今年のオートサロンは特にお子様の車体験を重視した展示が各メーカーで多く行われていました。これは昨年の46th東京モーターショーにおいて、キッザニアを始めとしたお子様の自動車体験が成功したことを受けての今回のオートサロンであると考えられます。

東京オートサロン コンパニオン撮影 DNA

自動車ショーの華、コンパニオンにカメラが殺到

東京オートサロンの会場において、黒山の人だかりができているブースでは、そこには必ずコンパニオンさんが立っています。それも、かなりセクシーな衣装の美女です。

人を集めて宣伝には有効なコンパニオンではあるのですが、誰も展示車両を見てはおりません。このため、コンパニオンの印象は強くても、ブランドや展示車両の記憶は残らない可能性があるのでした。コンパニオンの使い方は、難しいとも言えるのでした。

お子様連れが多くなったオートサロンと最初に書きましたが、小学生くらいの男の子がコンパニオンの撮影カメラの人垣の後ろから「車が見えない、何の車?」との声がしていました。

このような場合には、少し待てばコンパニオンが下がり人垣は綺麗サッパリ見事に消えます。それまで、他のブースを見てぐるっと回って来ますと、カメラはいなくなりじっくりと展示車両を見学できるようになっているのです。車が見られない場合には、少し時間を置くということが回遊のテクニックとして求められます。

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東京オートサロンと東京モーターショーの違い

近年はトヨタや日産、海外勢ではメルセデスベンツなどの大手自動車メーカーが東京オートサロンへ出展しています。そうなりますと、昨年(2019年)11月に開催されていました「東京モーターショー」とはどう違うのかが気になります。

これにはまず、その歴史から説明をしなければなりません。

『東京モーターショー』は、自工会や自販連といった日本を代表する大手企業が集まる団体が主催しています。これに対して『オートサロン』では、最初は「オプション」という改造車の雑誌を発刊していた出版社が主催して始まったものでした。

このため『オートサロン』へ参加する出展者は、街の修理工場や個人で営業しているチューニングショップといった零細企業が多いのが、その最大の特徴でもあります。

改造車を賛美します『オートサロン』に対しては、純正車両を改造することから当然のこと自動車メーカーもお役所もよくは思ってなく、改造車は正規ディーラーを出禁となります。このことから、メーカーやディーラー指定の『東京モーターショー』に対してアウトローな『東京オートサロン』というような構図が出来上がります。

この関係が変わって来たのが、バブル崩壊後からです。高度経済成長期には右肩上がりで国内の自動車販売台数を上げてきたメーカーでしたが、バブル崩壊と共に販売台数を追う形で利益が上げられなくなります。台数が増えなければ、次は1台あたりの利益を上げるのですが、アメリカや中国などでは成功した「アキュラ」「レクサス」「インフィニティ」といった高級車ブランドの計画が日本ではコケます。(ノーマルのクオリティがあまりにも高いため)

そこで参考となるのが、EUメーカーのチューナーズブランドでした。MベンツのAMGやブラバスを始めとして、BMWのMシリーズやハルトゲなど、貴族文化が存在したEUにはお金持ちが自分だけの1台をオーダーしてきたチューナーズブランドが古くからあり、近年は軒並みこれらのブランドがメーカー直下の子会社へと吸収合併されていたのです。

日本国内でも、同じ車種であっても他人とは異なる外観を持ったモデルを欲する人たちが一定数が存在します。そういった人々は、いわゆる「車オタク」と呼ばれる人達でもあり、その消費金額も一般の人よりは多くなります。

近年、このようなロイヤルユーザーの消費を獲得するべく、大手メーカーも傘下のチューニングブランドを擁してオートサロンへ出展参加するようになって来ているというわけです。

つまりは、大手自動車メーカーが技術を駆使して見せる自動車の未来像と市販車をアピールするのが『東京モーターショー』で、中小企業がプラスαを求めるマニアに対してチューニングカーをアピールしているのが『東京オートサロン』になります。近年では、これに大手メーカーもチューナーズブランドを立ち上げて乗っかってきている、ということになっています。

このため大手メーカーも、一般の市販モデルとは少し違う高価格な"グレード"のモデルを展示しています。

東京オートサロン トヨタ GRヤリス

落ち込むモーターショー、盛り上がるオートサロン

東京モーターショーは、日本国内でも最大級のイベントであり2年に1回の隔年開催、約10日間の開催期間中に100万人前後の来場者を動員します。しかし近年では、不参加の自動車メーカーも多くなり、盛り上がりに欠けるとも言われて来ました。これは、世界的な傾向でもあります。

これに対して、東京オートサロンは毎年の開催で金曜日~日曜日の3日間の開催期間、しかも金曜日の午前中は報道機関向けのプレスデイであることから、一般入場は実質2.5日間しかありません。

今回の東京オートサロン2020では、来場者数は3日間合計で330,6060名(前年33万666名)と公式発表されました。

1月11日(金) 80,940 名
1月12日(土)126,942 名
1月13日(日)128,178 名

1日あたりにしますと、東京モーターショーを上回る来場者数があることになります。

そんなに人気ならば、もっと長く東京モーターショーと同じくらいの1週間の開催をすれば、より大勢の人が来場するのではないかと考えるのですが、そうもいかない事情がオートサロンにはあります。

展示参加しているブースの大半が、中小零細の企業でもあるのです。こういった会社やショップでは、多くの場合で本業のお店を休業して社員や家族総出で出展して来ています。1週間もの長い間、お店を休みにするわけにはいかない、というのが事情としてあるのです、その間の本業の収入が無いわけですから。

その他にも、開催期間が増えることによって施設のレンタル料が増えたり、警備などの人件費が増えコストが上がるという負の面もあります。

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