2023年コロナ禍でオートサロンの来場者数は半減
3年前の2020年のオートサロンは、ギリ新型コロナが流行する前で通常通りに開催されましたが、2021年はオンラインのみで実開催は中止、2022年は第6波でまん延防止等重点措置(1/9~3/21)の真っ只中でもあり、観客50%の制限付きで参加者は激減したのでした。
ちなみに、各開催の来場者数は、
2020年 33万6060人
2021年 **********
2022年 12万6869人
2023年 17万9434人
となっており、2023年は行動制限が無いにも関わらず、ピーク時より半減していることが判ります。
これは、幕張メッセの駐車場確保にも表れており、9時の時点で駐車場待機列に並びますが、10時には幕張メッセの駐車場へ入ることが出来ました。ただこれも、5500台のキャパシティのギリギリで、駐車場所は料金所よりも後方へと持っていかれました。(この場所は、出る際には早く出ることかできます)
ただし、駐車場の隣にあるイオンモールの端から端までを歩くことになり、国際展示場ホールまでが遠いのが難点です。
そんな2023年の東京オートサロンは、3年ぶりに行動制限が無い中での開催となったのでした。ただし、感染者数は12月下旬より上昇傾向にあり、死亡者数も高齢者を中心に上がっている中での「withコロナ」での開催となりました。
このため、マスク着用や手指の消毒などの感染対策を徹底しながら、ウィルスを持ち帰らないようにしなければなりません。
主役は新型クラウンとフェアレディZ
今回の東京オートサロン2023の特徴としましては、チューニングのベースとなっている主役が「新型クラウン」と「フェアレディZ」になります。
街中ではまだあまり見かけることが少なく、珍しい部類に入ることからも、最初は興味津々で覗き込むのですが、後半の方になってきますとあまりの多さに若干食傷気味となり、見飽きてきてしまいスルーすることもあります。
疲れてきますと、新型クラウンと新型プリウスの区別もつかなくなったりと、人だかりが出来ていたのでこれクラウン?いや違う発売されたばかりのプリウスだ、と。
また、2020年には目立っていた輸入車メーカーを含めた大手自動車メーカーの出展ですが、2023では大きなスペースを取っていたのは国産メーカーのみで、特にメルセデス・ベンツなどは影も形も無くなっています。
ロータスなどは、小規模ながらも手堅く出展を続けていました。
また、東京モーターショーではすでに出展しなくなって久しく、実車を見ることのできないランボルギーニやフェラーリなどのスーパーカーの最新モデルを見ることが出来るのも、東京オートサロンの魅力です。出展しているのは中小ショップが手がけたお客さんの車両ではありますが、間近で見ることが出来ます。
ただし今回の2023では、このスーパーカーの台数も減っているように感じました。新型コロナ禍の影響で、中国を始めとした海外からの顧客が減っているせいかもしれません。
露出控えめなコンパニオン
毎回、東京オートサロンで話題となるのが過激な衣装で肌の露出が高い、各ブースのコンパニオンなのですが、やはりこちらも「密」を避ける意味からもあまり派手な演出は控えられているように感じました。
また、コンパニオンを出す時間帯も短くしているようで、なかなかコンパニオンを含めた車両の撮影というのが難しくなっています。
そんな中でも、一旦コンパニオンが車両の前に出てきますと、カメラが集まってくるのは東京オートサロンのいつもの光景です。が、それでもカメラの群衆はいつもより全然少なくもあります。
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注目のダークホースはBYD
今回の東京オートサロン2023で、メディアからも注目を浴びているのはBYDという電気自動車メーカーです。メインホールからは、一旦屋外へ出て9,10ホールという立地が悪い場所にも関わらず、コンパニオンを配置して渋谷のパリピな演出で人が集まっていました。
日本ではあまり馴染みが無いBYDというメーカーですが、テスラに次ぐ世界第2位の電気自動車メーカーで、予想はされていましたがいよいよ中国の自動車メーカーが日本へ進出です。
2023年1月から、ディーラー網を整備して日本国内で「atto3」というモデルの販売を開始します。ドイツ車以外、アメリカの自動車メーカーも参入ができずに苦戦、韓国の現代自動車も一度は撤退した日本の市場へ、中国メーカーが電気自動車どこまで食い込めるかが注目されています。
役割を終えつつある東モ、盛り上がるカスタムカー
東京モーターショーは、2019年開催の「46th東京モーターショー」を最後に、新型コロナ禍のパンデミックにより2021年の開催が中止となっています。そのような中で、次回の東京モーターショーは「ジャパンモビリティショー2023」として、10月26日~11月5日の開催が決まっています。
このように、「自動車の見本市」からモバイル関連のインダストリーショーへとその姿を変えるモーターショーですが、そんな中でもカスタムカーの祭典「オートサロン」は1日5万人以上の来場者を集めています。
オートサロン内でも、トヨタのGRやモデリスタといったカスタムパーツを扱うブースでは、多くの人を集めていたところからも、車は走れば良いと考えて最低限を求める人と、他の人とは違うプレミアム性を求める人との二極化がさらに進んでいると感じられるのでした。
この二極化が、スマートフォンのようにコモディティ化するモーターショーと、来場者を集めるオートサロンを象徴しています。
アメリカでは、家電見本市CESに自動車メーカーが出展し、自動運転などの技術を披露する反面、歴史のある各地の純粋なモーターショーの存続が危ぶまれるなど、衰退が加速しています。
自動車という工業製品は、デザインのデジタル化によって空力や機能性を追求しますと似たようなデザインとなり、家電やスマホと同じように機能の差別化が難しくなりますとどれも似たような製品となります。そのような中で、いかに他社の製品と差別化を行うのかということが求められています。
単なる移動ならレンタカーでいいや、という人が増える中で、この車を所有することでどのように生活が変わるのかという、生活プランの提案までを自動車の設計段階から考えなければならない時代となっています。ですから、単なる移動の手段でしか無いセダンが衰退してSUVやミニバンが流行っているのでしょうね。