44th東京モーターショー 曙ブレーキ マクラーレンP1

44th-TMS2015

44th東京モーターショー2015-akebono ブレンボに迫れ

2015年11月18日

44th東京モーターショー 曙ブレーキ マクラーレンP1

ブレンボに対抗する曙ブレーキをマクラーレンが採用

44th東京モーターショー2015で曙ブレーキのブースには、マクラーレンP1が展示されていました。ブレーキメーカーなのか、それともスーパーカーの展示なのか!?その両方で、コラボ展示となります。

なぜ「マクラーレン」?と思う方も多いかと思いますが、マクラーレンP1には曙ブレーキが純正採用されているからです。細かい技術的なことを述べなくても、一般の消費者に高性能をアピールするのにはスーパーカーが一番解り易いのですね。

通常、フェラーリやランボルギーニ、ポルシェにAMGといった高性能なスーパーカーには「ブレンボ」か「APレーシング」が採用されるのですが、マクラーレンではそのいずれでも無く「akebono」を採用しています。一般的には、「ブレンボ」や「APレーシング」がすでにブランドとして確立されており、その高性能の証ともなるからです。

では、なぜマクラーレンでは「ブレンボ」や「APレーシング」ではなく、極東の自動車部品メーカーの曙ブレーキなのでしょうか。イギリスの自動車メーカーであれば、EUメーカーから調達した方が便利でもあるはずです。

「ブレンボ」や「APレーシング」といったこれら高性能車に採用されるブレーキの定番メーカーでは、高いブランド力と量産能力を理由に、装着されるブレーキがその車種専用に開発してくれない汎用品となります。マクラーレンはそれに満足せず、P1専用に開発してくれる曙ブレーキをパートナーに選んだとされています。

44th東京モーターショー 曙ブレーキ マクラーレンP1

曙ブレーキとマクラーレン、双方の思惑が一致

昨今の日本の自動車部品メーカーは、系列を超えて広く他の系列メーカーとも取り引きを行う傾向にあります。系列の庇護に頼っていたのでは、今のグローバル化の波の中では生き残れないということのようです。

そのような世界情勢の中で、曙ブレーキ側からしますと欧米メーカーへの採用が無く、ブランド力も一歩劣るイメージがあります。そこでマクラーレンに採用されたという実績を携えて、ポルシェやベンツへの純正採用を狙っていると言われています。

マクラーレン側にとっても、曙ブレーキの性能はブレンボにも劣らないと言われている中で、P1専用で要求に合わせたブレーキを開発することで、新興のスーパーカーメーカーとして一気にトップクラスへ躍り出たいという思惑があったわけです。

44th東京モーターショー 曙ブレーキ マクラーレンP1

マクラーレンP1だけではない高価なカーボンセラミックブレーキ

これからの時代、ハイパフォーマンスモデルにはこのカーボンセラミックブレーキが標準装備となるのでしょうけれども、オプションで用意されている場合には選択するかどうかが悩みどころです。

というのも、新車装着時にはより大きな車両価格に隠れて目立たないのですが、カーボンセラミックブレーキを単体での価格をよく見ますと日本車の新車が1台、買えるくらいのお値段がしていたりします。「ブレーキ」はローターも含めて、消耗品であるということを忘れてはいけません。

44th東京モーターショー 曙ブレーキ マクラーレンP1

今やフェラーリなどの高性能モデルではカーボンセラミックブレーキが標準装着です、ですから新車価格が1,500万円クラスから3,000万円近くへと値上がった経緯があります。(当然、鋼材の値上がりなどもあります)

くどいようですが、ブレーキは消耗品です。走行距離にもよりますが、2~3年で交換費用が100万円近くとされるのは、パフォーマンス的にはどうなのでしょうか。

フェラーリなどであれば、年間走行距離3000km程度なら2~3年でパッド交換、ディスクは5年くらいはもつようです。ですが、日常の足として使っている場合には、ブレーキの消耗もそれ相応に覚悟しなければならないわけです。

もっとも、新車購入して3~5年と新車保証があるうちに乗り換える。これであれば消耗部品の交換時期が来る前に、余計な出費がをせずに高い下取り価格で乗り継ぐことができます。

これがスーパーカーの乗り方、なのかもしれません。

44th東京モーターショー 曙ブレーキ マクラーレンP1

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