今や海外からの通販も簡単にできる時代
今回ポルシェ・マカンを新車購入したわけですが、マカンはポルシェの中でもそれなりに販売台数が多く街中でも比較的多く見かけることになります。エクステリアに関しましては、ベースモデルとはいえオプション装着でGTSに限りなく迫る外観を得られていることから、これ以上の手を加える必要はありません。
エクステリアは、オーダー時以外では通常はあまり手を入れることはできません。ヘッドライトやテールランプの交換は正規ディーラーでもできますが、新車オーダー時以上にかなりコストがかかるものとなりますので現実的ではないのです。
ただしこの外観は、マカンオーナーでないとその細かな違いは判りませんので、お金がかかっている割にはなかなか他の人には理解をしてもらえない部分でもあります。完全な自己満足の世界です。
エクステリアにコストをかけ過ぎたせいで、インテリアへはやはり予算が回らず心残りな部分も正直なところ存在します。ただし、これも満足するまでやっていましたら、オプション価格だけで500万円を超えてしまいますので、どこかで区切らなければなりません。
そこで多くの人は、新車あるいは中古車の購入後には自分の新しい車に、リーズナブルな価格で何か付けられるパーツ、便利グッズはないものかと探します。大出費をした直後ですから、財布の紐も自然と厳し目となります。
しかし、このパーツを探している期間は一番楽しく、ワクワクするものでもあるのでした。
とここで、以前であればこの購入の選択肢は国内の販売店の一択でした。ところが、今ではネット通販により国境の壁は取り払われ、海外からの商品の購入がPCやスマホのクリック一つでできて、ものすごく簡単になっています。
海外からの物流網も整備されており、昔のように荷物がどこかへ行ってしまって無くなる不安、なんてことも少なくなっています。「お荷物番号」で、国内同様にネット上での追跡も可能です。
特に輸入車であれば、国内よりも海外の方が出回っているパーツは豊富にあります。最近では日本車でも海外での販売がメインとなっていますので、日本仕様では見ないような海外製のパーツが豊富に出回っていたりします。
ここで、ポルシェ・マカンの内装パーツを探していますと、同じ商品と見られるサンプル写真がYahoo!ショッピングや楽天市場、Amazonに出店している国内あるいは中国の販売業者と、AliExpressの日本語サイトでも見ることができます。
「AliExpress」とは、中国企業のアリババが運営する日本の「楽天」のような総合通販サイトです。この中に、様々な商品を扱う小さなショップが無数に出店している集合体です。このため、総合から検索をかけますとこれらのショップを横断して関連する商品を検索して表示をしてくれます。
パッと見た感じ、業販向けのようにも見えるのですが、実は個人でも1個2個といった数量で購入が可能です。ですので、普通の通販サイトとして海外であることを気にせず、利用が可能でもあるのでした。
同じ商品写真がAliExpressとYahoo!ショッピングや楽天に
Yahoo!やGoogleでマカンのパーツを検索しますと、まずはYahoo!ショッピングや楽天、Amazon等で商品が引っかかってきます。
と同時にAliExpressで同じく検索をしますと、同じ商品写真が検索で引っかかってくることが判ります。当然、価格は大きく異なります。
そこで今回は、マカンの内装パーツをAliExpressで3点を購入してみました。
- センターコンソール、カップホルダーガーニッシュ(リアルカーボン)
AliExpress:13,276円 Yahoo!ショッピング:35,980円 - イグニッションキー・ヘッドライトスイッチフレーム(リアルカーボン)
AliExpress:5,221円 Amazon:11,822円 - センターコンソールカップホルダーベゼル
AliExpress: 2,351円 Amazon:3,980円 Yahoo!ショッピング:2,970円
おそらくは、日本国内のショップが業販で購入して、利益を乗せて倍くらいの価格でYahoo!ショッピングや楽天ショップで販売していると思われます。もしくは、海外発送となっていればドロップシッピング(在庫を持たずに注文だけを転送する)であると思われます。
国内発送のメリットは、1~3日ほどで届く(ドロップシッピング除く)ことと、国内検品で品質が担保されることにあります。海外発送ですと、届くまでに10日前後~1ヶ月ほどの日数がかかります。
どちらが良いのかを判断するのは、その人の価値観によるところもあることから難しいところですが、AliExpressの通販も国内通販と何ら変わるところはありませんので、誰でも注文ができ半額ほどで安く手に入れることができます。
ただし、国際郵便であることから届くまでに日数がかなりかかること、その他にもいくつかの問題点があります。
AliExpressの中国ショップは信用ができるのか
Yahoo!ショッピングや楽天では、最近では審査が厳しくなっており詐欺的なショップは出店できなくなっていますので、まず心配はありません。Amazonも返品・返金保証がありますので、詐欺的商品が届いた場合には、補償がありますので心配はないでしょう。
ところが、AliExpressへ出店しているショップは中国の店舗や企業となり、どのような相手なのかも判りません。日本の通販サイトでは「特定商取引法に基づく表記」で会社概要の表示義務がありますが、AliExpressの「ストアホーム」にはこれに類する表記は見当たりません。もっとも、住所や代表者・管理者名が判ったところで、これを調べようがないのではありますが。
ですが、一応は商品が届かなかった場合には、相手方へはお金は振り込まれず返金されるような仕組みにはなっています。
それでも写真とは全然違う詐欺的な商品が届いたり、使えない粗悪品が届いたりする可能性は、相手が中国企業だけにゼロとは言えません。そのあたりには、大きな不安が残ります。
- クレジットカードを使っても大丈夫なのか
PayPalでの支払い方法がありますので、PayPalにカードを登録しておいて介せばクレジットカード番号を中国側へ示さなくて済みます。PayPalは銀行振り込みによるチャージもできますので、クレカを持っていない人でも取引が可能です。 - 精度が悪く使えない可能性
これは、中国製には常に付いて回る不安です。大手製品ではこういった不安は小さくなりますが、やはり中小企業に対してはまだまだ不安は残っています。海外だけに、返品や交換には苦労します。 - 耐久性が無くすぐに壊れてしまう可能性
こちらも中国製では常に心配される不安ですが、1~2年程度の耐久性と思って壊れたらまた買い換える・・・割り切るべきでしょう。充電バッテリーなどのリチウムイオン電池を使用している製品は、爆発して燃える危険性がありますので避けた方がよいと思われます。
今回購入のマカンの内装パーツはどうなった
まずは、すべての商品をAliExpressで購入しています。価格が2倍から違えば、多くの人はリスクを考えても価格を優先するでしょう。
今回は「リアルカーボン」でパネルを探しており、さらには赤い内装に合わせて「赤のカーボン」にこだわります。このため、価格も高額となることから価格の差は顕著に出てまいります。これが低価格の商品ですと差額が広がらないことから、返品や交換を考えれば国内ショップのメリットも出てきます。
1回でもAliExpressで何か商品を購入したことがある人であれば、注文手続きは問題なく数分で終わります。3の「カップホルダーベゼル」は小さいことから比較的すぐ、1週間ほどでポスト投函で届きました。1・2は同じショップでしたので同梱で、ちょっと時間がかかります2週間ほどで届きました。ただ、これも海外発送であれば許容範囲内です。
いずれも破損や傷などはなく、製品としては問題はありません。ただ、3の「カップホルダーベゼル」はシルバーを選びましたが、もう少しメッキ光沢のあるシルバーを想像していたのですが、光沢がなく予想外でした。これなら、自分で再メッキ塗装をした方がいいかも、と思わせる内容です。
これですと車両側のメッキ塗装のプラパーツとのバランスが取れません。が、まぁこれはこれでヨシとします。
概ね、その品質と価格のバランス、コストパフォーマンスには満足です。
左右ハンドルで部品を作り分けるポルシェ
次は、問題なく車両に取り付けることができるかどうか、その精度が問題です。
結論から申しますと、1と3はピッタリと装着ができました。2の「イグニッション・ライトスイッチフレーム」はNGとなりました。
というのも、これは現車を見ないでオーダーしたこちらが悪いのですが、てっきりマカンでは左右ハンドルでこの「イグニッションキーとライトスイッチ」の部分は同じと思い込んでいたのですが、ちゃんと左右で反転させて作り分けているのですね。ポルシェも右ハンドル用に、細かく気を遣うようになってきているのには少し驚きを隠せません。
ですので、左ハンドルでは左がライトスイッチで右がイグニッション、右ハンドルではこれが逆となり左がイグニッションで右がライトスイッチとなっています。つまりは外側がライト、内側はイグニッションというように左右ハンドルできちんと作り分けています。
これは成形される部品が別ということを示しており、左ハンドル用のパーツはここでは使えないということになります。
ということで、中国製ですから購入したのは左ハンドル用で、右ハンドル用ではプレスが逆なのではまらない、という結果となりました。180度逆さまにしても、当然ながらはまりません。
注意事項として「左ハンドル用」「右ハンドル不可」との記載が欲しいところですが、売れなくなるので敢えて書いていないのか、そこまで気が回らないのかは判りません。通販サイトを見渡しましても、右ハンドル用のパーツは用意がないようです。
マカンの正規輸入車はすべて右ハンドルで、左ハンドルは一部ディーゼルモデルが並行輸入されているのみです。ですので、日本国内ではこの左ハンドル用のパーツはほぼ需要は無い、ということになります。
左右ハンドルで分かれるパーツは要注意
センターコンソール部分は、左右ハンドルで同じ造りとなりますから問題はないとしまして、やはりハンドル周りのパーツは注意が必要です。あとはパワーウィンドウスイッチ周辺のパーツも、左右が逆になりますので要注意となります。
問題なのは、この左右ハンドルで違うという注意書きが無いことで、ほぼ購入者の自己責任となっています。
さらには、日本国内のショップの通販サイトでも適合の検証はなく、AliExpressのサイトを写真からそのまま転載しているために、同じく「左ハンドル用」の注意書きがありません。よくて、「適合するか自分で調べてください」と注意書きっぽいものが記載されているサイトもあります。
以前のEU車では、右ハンドルを設計するのに左のパーツを無理やり右へ持ってきた感じが強くありました。ところが、MベンツやBMWなど販売台数の多いメーカーでは、いつしか左右ハンドルでパーツを作り分けるようになってきています。
ポルシェあたりは、左右のパーツの作り分けが一番苦手かと思っていましたが、意外や意外きちんと作り分けるようになっていたのですね。
こういった部分に合わせるパーツを購入する場合には、現車を見てからオーダーするべきでしょう。おそらくは、今回のミスもスイッチの配置を見れば気がついたものと思います。