ベンツディーラーで来場者プレゼントをもらいました
自動車ディーラーでは、あの手この手で来場者を獲得しようと、週末になりますと来場者プレゼントを企画します。これは日本車メーカーでは高度経済成長期の昔から行われてきたものであり、集客に関してはドイツメーカーのメルセデス・ベンツも変わりはありません。
そこで先日、整備で行った際に Mベンツのディーラーでもらってきた来場者プレゼントがこちら、「扇子」でございます。ドイツの車がバリバリに和風の扇子って、なんだか違和感を感じました。
もっとも、経営は日本の会社で日本人が企画していますから、このようになるのは必然ではあります。また、輸入車では購入者層の年齢がある程度高くなることからも、こういったプレゼントが好まれるということなのでしょう。
これがトヨタなどですと、ノアやVOXYにシエンタといったところなら家族連れをターゲットとして、お子様向けのプレゼントということになります。
基本的に、定期整備で来ている常連顧客には、来場者プレゼントを配っても新車売り上げのアップには結びつかないと思うのです。毎年、整備代金ではここのディーラーでかなりの売り上げに貢献していると思うのですけれども・・・新車販売よりも整備の方が、利益率は高いはずです。
整備に入れているのは、’97年モデルで20年オーバーのかなり古いモデルです。整備を繰り返しながら乗っているよりも新車を買ってくださいと、カタログをくれました。
営業さんは、販売台数のノルマがあり成績がかかっていますから、新車を買って欲しいのはわかりますが。
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来場者プレゼントだけをもらいに行くのはアリなのか
今回は、たまたま整備でディーラーへ行った際に来場者プレゼントを予期しないでもらったものなのですが、ちょくちょくDMなどでフェアやイベントの案内が来ています。そこに記載されています来場者プレゼントは、普通に買いますと結構高価で良い商品が多いのも事実です。
今回もらった扇子も、作りからすれば1,000円以上はしそうな感じですし、年末になりますと常連顧客に配布されますカレンダーなども、数百円の安いやつではなく数千円はする価格帯の物でもあります。意外とコースターとか靴ベラなどでは、革製だったりとコストがかかっている来場者プレゼントが多いような気もします。
輸入車ディーラーの来場者プレゼントは、マグカップだったりコースターだったり、革製のキーケースや靴ベラなんかも意外と実用性が高いものが多い傾向にあります。
そうなりますと、別に新車を買う予定はないのだけれどもこの来場者プレゼントは欲しい、と思う時もあるかとは思います。そんな時には、来場者プレゼントだけをもらいに、新車を見に行っても良いものなのでしょうか。
新車を購入する気はサラサラ無く、近い将来でも検討の可能性も無いのに、プレゼントだけをもらいに行くのはディーラー側のセールスマンはどのように思っているのでしょうか。
まず、DMが自分に届いたということはディーラーの「管理顧客(見込み顧客)」に該当しますので、堂々とノベルティを貰いに行ってかまいません。セールスマンからすれば、遠慮しないでお気軽に立ち寄ってください、ノベルティだけを貰いに来るだけでも結構ですので、と思っています。
来場者プレゼントのノベルティの意味
日本人には「遠慮する」という文化がありますから、タダで物をもらうことには気が引ける人が多くいます。しかも、この来場者プレゼントのノベルティはかなりコストがかかっているものが多く、もらったら高額の整備や新車を買わないと悪いんじゃないか、という意識が働くのが普通の人です。
ところが、ディーラー側のセールスマンからすれば、なかなか管理顧客と話をする機会が無いことから、たまにお話ししましょうよ、という気持ちでDMを発送しています。
昔、高度経済成長期には専業主婦も多く、自宅に人が居たことからセールスマンは自宅訪問が欠かせませんでした。「お車の調子はどうですか?」「何か困ったことはありませんか?」など顧客とのコミュニケーションが取れていたのです。
ところが今は共働きが多くそういった時代ではありませんし、ヘタしたら顧客訪問で駐車場なんかを覗いていたら、不審者として警察に通報されかねません。今の時代、自宅へのセールスマンの訪問を装うのは、強盗や空き巣の下見として警戒が強まっています。
このような社会情勢から、近年ではショールームへ顧客を呼び込む方法がセールスの主流となっています。この方が、忙しいセールスマンが移動で時間を使うことがなく、働き方改革で残業も減るのです。
昔とは販売方法が変わり、その浮いた分を販促費へと回しているわけですから、その方法に乗っかることはユーザーとして全く恥ずかしいことではありません。
セールスマンは車を売ることが第一の仕事ではありますが、それイコール購入者の生活がこの車により豊かになって欲しい、ひいてはご家族やお子様に喜んで欲しい、笑顔になって欲しいということがその基本にあります。
来場者プレゼントのノベルティ一つでこの目的が達成できるのであれば、ディーラーの売り上げからすれば安いモノです。
来場者プレゼントで嫌われるのはここでも転売ヤー
ただしセールスマンも人間です、そこには感情がありあまりにも失礼な人に対しては、顔をしかめることもあるでしょう。では、来場者プレゼントではどのような客が嫌がられるのでしょうか。
ディーラーのセールスマンにとって、カタログやノベルティの収集目的だけの人は、見ていれば判るとされています。来店するなりいきなりDMの封筒を出すなど、明らかに他の車を見に来た顧客とは雰囲気が異なり、浮いた存在となっているのだそうです。
さらに警戒されるのは、ノベルティのコレクターを装う転売ヤーの存在で、転売ヤーは利益に直結することからもあまり時間をかけたくないようで、ノベルティをもらったら車も見ないでさっさと立ち去るのだそうです。
ところが、こういった情報は近隣のディーラー同士で共有されており、いつドコにこの人が現れたという情報が蓄積されています。これの度が過ぎますと、イベントの度に現れる要注意人物としてマークされ、ショールームでは放置や塩対応となるわけです。最悪は、出禁や門前払いを食らうこともあるようです。
無料のノベルティが、即日フリマやオークションに出品されていますと、残念な気持ちとなりお目当てのお客様に届かなかったことを悲しくなります。
ノベルティだけが目当ては冷やかしなのか
来場者プレゼントのノベルティは、見込み客にショールームへ足を運んでもらうために配っています。ですから、ノベルティだけをお目当てに来た客であっても、その目的は達成しているわけです。
基本的に来店客の8割は購入客とはならず、2割が積極的に購入へとつながる見込み客だとされています。自動車販売店の場合、この2割もさらに確率は低いとも言われています。
この2割のホット客をライバルと争い取り合うわけですから、購入へはさらに険しい道となるわけです。そこで、優秀なベテランのセールスマンは残りの8割を大事にします。
つまりは「冷やかし」の客を「ホット」な購入客へと変えるのです。
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一度でも塩対応を受けてしまいますと、二度とそのお店には行かないでしょう。ところが、ノベルティやカタログ集めだけが目当てであったとしましても、丁寧な対応を受ければそれは忘れられない体験となり、今すぐにではありませんがいつの日か購入客になる可能性があるわけです。
国産・輸入車含めていくつもの自動車メーカー、数あるショールームから選んで来店をしてくれたということは、そのメーカーの車に興味があるからやって来たわけです。
「お客様を見た目で判断しない」というのは、セールスマンの基本の「き」と、新人時代に教えられるかと思います。