オートモビルカウンシル2023 ポルシェジャパン

イベント ポルシェ

オートモビルカウンシル2023 -ポルシェ・ジャパン

2023年4月19日

公道走行可能なレーシングカー「911 GT3 RS」

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ911GT3RS

主催者展示でナローポルシェからの911の歴史を見せてくれたポルシェ・ジャパンですが、最新モデルの独自の展示も入り口を入ってすぐの目立つ場所、主催者展示の横に比較的大きなスペースを構えています。今回の「オートモビルカウンシル2023」の輸入車系の展示の中では、一番大きなスペースを用意していたと思います。

今回ポルシェが展示した車両は、計4台となります。

  • 2022年8月受注開始「911 GT3 RS」
  • 1995年式「911カレラ」(タイプ993)
  • 2009年式「カイエンターボ」(タイプ957)
  • 現行「タイカン・ターボ・クロスツーリズモ」

中でも一番注目を浴びていたのが、この公道を走れるレーシングカーである「ポルシェ911 GT3 RS」です。そのお値段「3,134万円」で一般人にはとても手が届かない、また公道では絶対に目にする機会もないため常に人だかりができていました。

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ911GT3RS

「ポルシェ911 GT3 RS」は、日本国内では初めての展示となるそうでして、この後は順次全国の販売店を回って展示されることになるのでしょうか。

ポルシェのビジネスモデル、「レース車両をそのまま市販車へと落とし込み販売する」というもので、「911 GT3 R」がそのまま公道を走行可能な状態として市販されています。

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ911GT3RS

「ポルシェ911 GT3 RS」では、徹底的に極めた空力と冷却性能が特筆されます。通常の911ではフロントボンネット内にはトランクルームがありますが、ここにラジエーターを設置して冷却性能を上げてあり、空いた両側にはエアの流れを調整する空間となっています。

併せてリアには巨大なウィングが装備されており、電動で角度が変わるようになっています。これにより、200km/h時に合計409kgのダウンフォース、285km/h時には計860kgのダウンフォースを発生させることができます。

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ911GT3RS リアウィング

サーキット以外、日本の公道のどこでこれだけの性能を引き出せる場所があるのかは疑問ではありますが。

「911 GT3 RS」は、CFRP(カーボンファイバー強化樹脂)を使用した軽量設計により、車重は1,450kgに抑えられています。ドア、フロントフェンダー、ルーフ、フロントリッド、標準装備のフルバケットシートにも軽量なCFRPが使用されているのが特徴です。

4.0L水平対向6気筒ガソリン自然吸気エンジンを搭載、最大出力は525ps、トランスミッションは7速「PDK」となっています。0~100km/h加速3.2秒、最高速296km/hの性能を誇ります。

この性能が、ある意味普通の人でも手軽に運転できてしまうのが、ポルシェという車であるとも言えます。

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ911GT3RS

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ911GT3RS

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ911GT3RS

ポルシェ社と911の時代の転換点「タイプ993」

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ911 タイプ993

1993年にポルシェ911の第4世代へとフルモデルチェンジした911は「タイプ993」と呼ばれます。ポルシェ911のフルモデルチェンジでは、誰が見ても「911」であるというデザインを踏襲しなければならない呪縛にも似た制約が課せられます。

そんな第4世代の911タイプ993は、見事にその呪縛を克服しほぼ全ての部品が変更されたにもかかわらず、911のデザインDNAを継承することに成功しました。

オートモビルカウンシル2023のポルシェブースに展示されたのは、そんな1995年のタイプ993の「911カレラ」になります。

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ911 タイプ993

このタイプ993シリーズは、コレクターとファンの間で極めて高い支持を受けています。その理由は、初代のナローポルシェから35年間続いた空冷フラット6のエンジンが、この4世代目で最後となったからです。

VWビートルから続いたあの独特な「ドッドッドッ」という空冷水平対向エンジンの音は、ファンの間では人気があります。

タイプ993のポルシェ911は、1998年に終了するまでに68,881台が生産され、商業的にも大成功を収めたのでした。この911タイプ993の成功をきっかけにして、1996年には911のパーツを流用したミッドシップオープンカーでポルシェにしては安価なボクスターを発売、このヒットで原資を得たポルシェAGは続けて悲願の4ドアモデルであるカイエン、パナメーラを開発してヒット、今日のポルシェがあります。

最後の空冷エンジンという他に、このタイプ993はポルシェ社と911の歴史と伝統において、大きな転換点となった1台でもあるわけです。

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ911 タイプ993

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ911 タイプ993

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ911 タイプ993

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ911 タイプ993 魅力的なお尻

14年前の初代957カイエンを甦らせる

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ カイエンターボ タイプ957 初代 オフロードパッケージ

2代目カイエンのタイプ958は、都市型SUVとしてスマートになり過ぎてしまい、初代957のような荒々しさが消えてしまっています。中には、そういった荒々しさをSUVには求めるユーザーもいることから、そういった層へ向けての提案です。

2009年のタイプ957のカイエンターボは初代モデルで、オフロードパッケージを装着した参考出品車です。オールテレインタイヤやルーフラック、牽引用のヒットなども装備しており格好良く仕上がっています。

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ カイエンターボ タイプ957 初代 オフロードパッケージ

初代カイエンは、ノーマルですとそのデザインの古さが際立ってしまいますが、こういった変身プランをメーカーが純正で用意してくれるようになりますと、中古車価格も高止まりするようになり、既存ユーザーの乗り換えもしやすくなるのではないでしょうか。

2009年式のカイエンは100万円ちょっとくらいで手に入るようですから、正規ディーラーによるレストアと純正パッケージオプションの装着で、300万円くらいで販売しないのでしょうか。どこぞの中古車屋が現場渡しで責任を持たずに販売するのとは違い、そういうビジネスモデルも面白いとは思うのですが。

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ カイエンターボ タイプ957 初代 オフロードパッケージ

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ カイエンターボ タイプ957 初代 オフロードパッケージ

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ カイエンターボ タイプ957 初代 オフロードパッケージ

旧車に限らず最新BEV「タイカン・クロスツーリスモ」

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ タイカンターボ クロスツーリスモ

オートモビルカウンシルは20~30年が経過した、ガソリン臭いヘリテージカーだけが展示されていると思いきや、最新モデルとの対比も展示内容の一つにあります。

そこで、ポルシェブースの正面の目立つ位置にはBEVのタイカン、ワゴンボディのクロスツーリスモが展示されています。グレードは最上位のターボ、ルーフテントを装着したキャンピング仕様です。

タイカン・クロスツーリスモは、早い話しがセダンのタイカンのエステートなのですが、車高を20cmほど上げることでSUV感を出し、911譲りの低いノーズは紛れもなくポルシェファミリーの一因であることを主張しています。

ポルシェではこの形態をSUVではなく、「CUV(クロスオーバー・ユーティリティ・ビークル)」と呼んでいます。

なぜ、この場にタイカン・クロスツーリスモが展示されているのか、それはタイカンが4ドア4座のポルシェ911と言われているためです。電気自動車であるタイカンは、重心が911よりも9cmも低いことからポルシェの技術陣が作りたかった911の4ドアセダンなのです。

デザイン的にも911の流れを汲むことから、この場に展示されたのだと推測します。

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ タイカンターボ クロスツーリスモ

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ タイカンターボ クロスツーリスモ キャンプ仕様

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ タイカンターボ クロスツーリスモ キャンプ仕様

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ タイカンターボ クロスツーリスモ キャンプ仕様

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ タイカンターボ クロスツーリスモ キャンプ仕様

オートモビルカウンシル2023 ポルシェ タイカンターボ クロスツーリスモ テールランプ

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